2017年10月03日

痛い痛い帯状疱疹の事、ワクチンのこと

今回は近頃増えてきている帯状疱疹についてお話しします。

まずは体験談から。
ある日、右の脇辺りにピリピリした感じが出てきました。
風邪をひくと時々こんなことが起こるので「風邪かなぁ〜」と思っていたわけですが・・・
その後1週間かけてピリピリかがビリビリとなっていき、夜寝るときにも体勢によっては落ち着かず、骨が痛むのかな?となっていきました。そして、寝ていても痛みで目が覚めてしまうほどになりました!
胸部CTで痛みの部位に何もないことは確認できました。
しかしその後は痛み止めを1日3回食後に飲み、それでも痛すぎて追加の痛み止めをどうしようか迷ったほど、痛かったです。
この間痛いところにぷつぷつができてないかを確認していたのですが、とうとう10日ほどたった時点で出てきました!
DSC_5794.JPG
いくつかのイクラがくっついたようになっています。

あ〜やっぱり帯状疱疹だったか!
しかし帯状疱疹は普通、、、

  • 50歳代以上の高齢者(いや、そのホンの手前ですけどね)

  • 免疫力が下がっている(たしかにちょっと夜更かしが多かったです)

  • 免疫力が下がるような病気にかかっているor薬を飲んでいる(これはないしな〜)


と、自分に当てはまらないな〜と思いましたし、そんな10日もしてから出てくるというのは若干遅い気がしました(多くは1週間までくらい?)。

でもまぁ、病気が分かったのでちょっと安心。
帯状疱疹用の塗り薬(抗ウィルス薬)を塗って治療することとしました。
DSC_5823.JPG
それからもぷつぷつは増え、それなりにひどい状態になりましたが、安心もあってか徐々に痛みは退いていき、1ヶ月ぐらいで痛みはなくなりぷつぷつもかさぶたになりました。
DSC_5911.JPG

・・・という経験をしたからか、何だか帯状疱疹の患者さんや記事が目に付くようになりました。

そうそう、院内でも学習会がありました!

その内容から、確かに最近増えてきているようです。
まずおさらいから。
帯状疱疹の原因は、多くの方が小さい頃にかかった水ぼうそうのウィルスです。それが背中近くの神経の部分に居残ります。
それが体が弱って免疫が下がるとウィルスの力が強くなり、表面に顔を出します。
多くは見た目より先に痛みが来ます。
その出方は神経に沿って出るので、着物の「帯」のような形で背中から脇〜おなかの方へできます。
ただし、右なら右、左なら左と半身だけです。
胴体に出ることが多いですが、脚や顔のこともあります。

近頃増えている理由としては、子供の頃に水ぼうそうのワクチンを打つことが増え、水ぼうそうにかかる子に接触しなくなり、免疫が強化されないというのがあるそうです。

ちなみにその痛みは一説にはお産にも匹敵するもの、とのこと。
そして自分は幸い後遺症はありませんが、痛みが残り「帯状疱疹後神経痛」という状態になってしまうこともあり得ます。
いやーあの痛みを引きずるというのはちょっと想像できないです。
(現在患っている方、心中お察しいたします)

今では帯状疱疹の治療として抗ウィルス薬(塗り薬、飲み薬、注射)がありますし、帯状疱疹後神経痛に対しての治療法もあります。
なっちゃうと大変ですけどね。(痛いし、お財布にも厳しい)
そして、それを予防するワクチンもあります。
ワクチンは50歳以上であれば打つことができ、おおよそ5年くらい効果があるそうです。
そのほか打つためには諸条件もありますが、津生協病院でも接種可能です。
いちどお問い合わせください。
posted by 広報委員 at 21:42| Comment(0) | 診療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月17日

寒い日には低温やけど!?

先日の寒〜い日、電車で通勤した当院のお医者さんから聞いた話です。

女子学生さん2人の会話で、
「今日はすごく寒いねぇ〜!」
「こんなに寒いと低温やけどになっちゃうよ〜!!」
「ほんとだよね〜!」

え〜と、これって、
 寒い→カイロなど使う→低温やけどになる
ということなのか、
 寒い→凍傷になる→これを低温やけどって言っていた
どっちなんでしょうね!?

せっかくなので、ホントの意味での低温やけどについて、ちょっと解説してみます。
日本熱傷学会のサイトで見てみると、低温やけどについてこう書かれています。
・低温やけどは、心地よいと感じる温度(40度〜50度程度)のものに長時間皮膚が接することで起こります。(50度なら3分間の圧迫、42度でも6時間接触すれば細胞が変化するという報告があります(国民生活センター調べ))
・一番多い低温やけどのケースは、気づいたときはちょっと赤く、ひりひりするくらい、1日ほっておいたら、水ぶくれができてグジュグジュする、というものです。
・低温やけどは、じわじわと皮膚の深い部分まで達するので、痛みを感じにくく、特に子どもはやけどをしたことに気づかず、重症となる傾向があります。治療が必要かどうかは素人にはわからないので、皮膚に赤みや違和感があるような場合は、すみやかに受診しましょう。
・電気毛布や電気あんか等を使用する際は、寝床が暖まったら電源を切ったり、温度設定を下げたりするなど注意しましょう。

当院外科へも特に冬場は低温やけどで受診する方がみえます。
その時の説明としては「お肉を焼く時も、低温でじっくり焼いた方が中まで良く火が通るでしょ?それと一緒で低温やけどはぱっと見よりも深いところまで行っていて重症なのですよ」とお話ししています。
つまり、治るまで時間がかかるのです!
上記を見てもらうと分かるように、「あったかいな〜」と思える温度でもできてしまうので要注意!
熱さを感じてしまう前に対処しないと大変なことになります。
特に、血行が悪く冷えて寒いという方、しびれていると特に感じにくいのですが、当たった熱が血行で回収されにくい分余計になりやすいですよ。
気をつけて下さいね。
ゆたんぽ.jpg
posted by 広報委員 at 22:14| Comment(0) | 診療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月05日

長編小説の様になってしまいましたが、逆流性食道炎って気になりませんか?

今週の火曜日に白塚診療所に行った時に患者さんからの不安を打ち明けられました。
「わたし、逆流性食道炎があるんですけど、食道癌になっていませんか?」
はい、なっていませんでした。安心して下さい。

・・・という会話から逆流性食道炎と食道癌についてまとめてみました。
doublecircle.jpg
@は逆流性食道炎、Aは食道癌、Bは逆流性食道炎に関連する食道癌を表しています。

ではまず@の逆流性食道炎について
本来食道から胃に移り変わるところは胃酸が逆流しないようにきゅっと締まるようになっています。
それが緩んだり、胃酸の量が増えると食道へ向かって胃酸が食道の下から上へ向かって逆流し食道粘膜を痛めてしまいます。
これが逆流性食道炎です。
酷くなると潰瘍になって食べたものが胃に到達しづらくなったりもします。
もともと白人には多かったようですが、日本でも1990年を境に頻度は増えているそうです。
81.jpg
(毎日新聞「医療プレミア」より)
その理由としては食事の欧米化により脂肪の摂取が増え、それそのもの作用であったり、肥満が増えたことにより腹圧が上がるというのがあります。
また、脊椎圧迫骨折で背中が曲がってくると食道裂孔ヘルニアになって逆流しやすくなるというのもあります。
最近は胃癌予防でピロリ菌を除菌した人が増えていますし、もともとピロリ菌を持っていない人が増えていますので、過酸状態になり胃液が上がりやすくなった、といったことが考えられます。
後は急いで食事を済ます必要があるというのもそうでしょうかね?

症状は経験された人はよくご存じでしょう。胸やけ、呑酸といわれるものがありますね。
「すっぱいものがあがってくる」「食べ物がしみる」「のどが変な感じ」「胸が痛い」「咳が出る」といった訴えになります。
基本的には悪いものではないにしても、結構つらい症状ですよね。
治療としては内服薬でほとんど改善しますが、場合によっては手術療法という手もあります。


さて、Aの食道癌についてです。
以下はがん情報サービスのウェブサイトからの引用です。
2016年がん罹患数予測を見ますと
全ての癌を合わせて、癌になる人の数は1010200人と予測され、そのうちで食道癌は22800人で上から13位だそうです。
ちなみに男性の中では8位(19500人)、女性は18位(3300人)で、男女比は6対1なのだそうです。

年齢では40歳代後半から増加します。
また、日本人の場合は病理学的には「扁平上皮癌」が90%以上を占めているとのことです。←これ、重要!
気になる症状は・・・
始めは無症状。これはほとんどの癌に言えると思います。
次に食べ物がしみるようになりますが、もう少し進行するとそれも感じなくなるとのことです!
そして、癌によって食道が狭くなってくると食べ物が詰まるようになり、更に進行すると体重減少(栄養が取れなくなる)、胸痛/背部痛(神経を圧迫する)、咳が出る(食道と気管がつながってしまう)、声のかすれ(声帯をつかさどる神経が侵される)といった症状の移り変わりがあります。

あれ、特に始めの頃の症状は逆流性食道炎と同じような症状ですね!

リスクとして分かっているものは喫煙、飲酒、熱い食べ物です。
なので、熱い飲み物(さまざまなお茶)をよく飲む南ブラジル、ウルグアイ、中国、日本、香港では多いとのことです。
お酒を飲みながらタバコをよく吸う人は充分気をつけましょう!


それではBの部分、逆流性食道炎と食道癌の関係についてお話します。
先ほど日本人に多い扁平上皮癌についてまとめましたが、逆流性食道炎に関係する食道癌は「食道腺癌」(バレット腺癌)なのです。
バレット腺癌になる前段階のバレット食道は、逆流性食道炎が続くとできてしまいます。なので、そういう状態になっていないかを確認していく必要はあります。

その頻度についてですが・・・
逆流性食道炎患者の20%にバレット食道がみられ、その10%に腸上皮化生が見られ、その1%に食道腺癌がみられるという頻度です。
実はもともと白人に多いバレット腺癌ですが、比べれば東洋人は少ないので、そこは安心できると思います。
しかし今後は初めに示したように逆流性食道炎も増えており、日本人にも増えていく可能性はあります。
(参照:患者さんと家族のための 胃食道逆流症(GERD)ガイドブック 日本消化器病学会)

今日のまとめ
・胃カメラは毎年定期的に受けましょう
・胸やけなど逆流性食道炎の症状かな?と思っても、今までと違う症状ならもしかしたらがあるので胃カメラを受けましょう
・逆流性食道炎のリスク、食道癌のリスクを考え、禁煙、節酒を心がけましょう
GERD.jpg
以上です。
posted by 広報委員 at 20:01| Comment(0) | 診療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする